トップメッセージ

 日清オイリオグループは、“植物のチカラ®”によって創造した価値を多様な販売チャネルを通じてお届けすることで、生活者の皆さまの健康的で幸福な「美しい生活(Well-being)を提案・創造することをお約束してきました。
 2021年度よりスタートした長期ビジョン「日清オイリオグループビジョン2030(以下、ビジョン2030)」において、「“植物のチカラ®”と“油脂を究めた強み”で、“生きるエネルギー”をすべての人にお届けする」ことを目指す姿として掲げ、当社グループはCSV経営へと舵を切りました。その目指す姿を実現する原動力である私たちの“強み”は「油脂を究める」ことであり、このことにより、多様な価値を共創していきます。「油脂を究める」には3方向の取り組みがあり、創業以来培ってきた「コアコンピタンスである“油脂”をさらに強化していくこと」を中心に、次なる成長の柱となる「新たな価値を生み出す仕掛けの創造」とすべての人にお届けするための「ビジネス領域の拡大」の2方向に取り組みます。これら3つの取り組みが事業を通じて発揮されることで、油脂ソリューションが生み出され、社会課題の解決と当社グループの成長、すなわちCSVへとつながっていくのです。目指す姿を実現するための強みを、現時点で私たちが完璧に備えている訳ではありませんが、「油脂を究める」ための組織能力の強化・開発など非財務資本への投資を通じて、当社グループのポテンシャルを最大限に引き出してまいります。
 「ビジョン2030」で掲げた目標を実現するための具体的な道筋については、「成長性」「積極投資」「持続性」「効率性」の4つの視点で重要業績指標(KPI)を整理し、フレームワーク(達成チャート)で示しています。その過程で、足りていない能力や組織についての実装などについても議論を重ね、具体的な行動計画へとつなげていきます。
 昨今では、地球規模では環境問題などの社会課題が累積しており、国内では急速な少子化と高齢化、本格的な人口減少など、既に大きな変化が始まっています。更に、世界的な油脂需要の増加、バイオ燃料の需要拡大に加えて、地政学的なリスクを背景として、油脂の原材料価格は高止まりが続いており、私たちの事業をとりまく環境は極めて不確実性が高い状態が続いています。
 このような状況であるからこそ、「ビジョン2030」で目指す姿を、常に立ち帰るべき指針として認識することが大切だと考えています。「ビジョン2030」で掲げる目標を「何が何でもやり切る」という強い覚悟を持ちながら、達成チャートに基づく道筋に則って、力強く歩んでまいりたいと思います。
 今後とも、ステークホルダーの皆様の一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

日清オイリオグループ株式会社

代表取締役社長