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トップコミットメント

“植物のチカラR”を活かして世界へ 代表取締役社長 今村 髦Y

2011年3月11日に発生した東日本大震災により亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された多くの皆様へ心よりお見舞い申し上げます。震災後、当社は被災地における一刻も早い救援活動および復興に役立てていただくために、当社の食用油・栄養調整食品・治療食品や義援金の提供を通じ支援をさせていただきました。被災地の一日も早い復旧・復興を心より祈念するとともに、今後もできる限りの支援をしてまいります。
当社においても震災によって倉庫が損傷を受けるなど、一時的に製品の供給に支障が出ましたが、2009年に地震対応の事業継続計画(BCP)を策定し、非常時のプロセスを検討してあったことや、社員全員が全力で復旧に向けて努力したことで、比較的早い段階で安定供給を回復できました。今回の震災において、世界各国が国の枠を越えて日本を支援する姿が見られましたが、世界の人の輪としての新たな連帯意識の強まりというものを感じました。当社のCSRの取り組みも、国内はもちろん、地球レベルでの推進を目指しておりますが、これを機にさらにその思いを強くしました。

 100年企業の誇りを胸に


このたびの社長就任にあたり、当社が100年企業としてずっと大切にしてきた安全・安心、品質追求といった伝統を受け継いでいくとともに、社員が誇りを持ち、「誰から見てもいい会社、素晴らしい会社」の実現を目指してまいります。CSRの観点で言いかえれば、顧客、株主、従業員、地域社会などのステークホルダーの皆様から、より大きな信頼と高い支持を得られるような魅力ある会社にしていくことをお約束します。また、当社のコーポレート・ステートメントである“植物のチカラ”を活かして、世界中の人々へ「おいしさ・健康・美」をお届けしてまいります。

 成長を実感するフェーズII

2011年4月から、当社の10ヵ年経営基本構想“GROWTH 10(グロース・テン)”は、フェーズIIの段階に入りました。フェーズIでは成長のための基盤を築きましたが、フェーズIIでは成長を実感しなければなりません。しかしながら、国内の製油業界は、穀物原料高騰、少子高齢化による市場の成熟化、搾油量の減少など非常に厳しい経営環境にあります。ここ数年のこうした変化は、一過性ではなく構造問題としての認識が必要です。“GROWTH 10”は、そうした転換期にあって次の100年に向けて新たな成長を実現するため、大胆に事業構造を変革し国内外の市場を創造する取り組みです。フェーズIIでは、フェーズIで取り組んできた基盤作りと成長への布石を具体的な成果として収益に反映させてまいります。「利益志向」と「技術重視」、「海外市場開拓」をキーワードに、「安定した収益基盤の確立と確かな成長を実現する」重要なフェーズと位置づけ、大きく飛躍してまいりたいと思います。
油脂・油糧事業領域での収益の安定化を前提に、加工油脂事業を第二の収益事業として油脂事業に匹敵する事業に育て上げ、また、中国油脂・油糧事業、ヘルシーフーズ事業、ファインケミカル事業、大豆食品・素材事業などの成長事業は収益面での自立を前提に、次の成長への布石を打ってまいります。また、国内だけでなく成長拡大するアジア市場は大変魅力的で、アジアを中心に海外の活力を取り込むことが重要です。差別化された技術を武器に中国、マレーシアなどの拠点の優位性を活かし、スピード感を持って海外市場開拓をさらに積極的に進め、海外売上高比率30%以上を実現してまいりたいと思います。
グローバルに展開する企業グループとして、地球規模の社会的課題を避けて通ることはできません。当社は原料のほとんどを海外に依存しているため、原料調達にかかわる課題が非常に大きな要素になってきます。たとえば、森林伐採などの問題では、産地や輸出先の企業・団体・NPOも参加する「持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)※1」が組織されており、当社でもグループ会社が加盟しています。他の原料も含めこうした問題には、正面から向き合っていかなければならないと考えています。また、地球規模の課題のひとつに飢餓があります。食に携わる企業として、その解決の力になりたいという思いで、当社は7年間にわたり国連世界食糧計画(WFP)を通じて支援を続けておりますが、社員の協力の輪が年々広がっているのは嬉しいことです。加えて、海外展開を進める当社の決意として、7月に「国連グローバル・コンパクト※2」に参加しました。これらを通じて、当社はグローバルな視野で、将来にわたる課題の解決に貢献していきます。

 “植物のチカラ”を活かした環境への取り組み

これまで当社は一貫してCO2排出量、廃棄物の削減に対しコージェネレーションシステムを含む燃料転換の推進や3R活動などを実施してきました。当社の国内工場は、植物油工場としては世界トップ水準の環境負荷の少ないものとなっています。2009年策定の環境理念・環境方針のもと、コーポレート・ステートメントである“植物のチカラ”を技術で引き出し、原料・資材の調達から生産・流通・廃棄にいたるまで、地球環境に配慮した商品・サービスの開発と提供を通じて、資源循環型社会の構築を目指し、当社にふさわしい環境政策を実施していきます。

 一人ひとりに広がる活躍の場

当社グループの企業価値を高める最大の原動力は人材です。もともと当社は、教育に熱心な風土があり、「教育はあらゆる業務に優先する」という考えを教育の柱にしてきました。人事制度では、能力開発や仕事を通じて一人ひとりが大きく成長し、ひいては会社の成長につながるという理念が貫かれています。 ワールドワイドにビジネスが拡大する中で、海外で実力を発揮できるグローバル人材を育成することが今後の重要な課題です。活躍する場が広がるにつれ、社員一人ひとりに大きなチャンスが広がっています。能力を磨き、やる気さえあれば大きな舞台は用意されており、当社は社員にとっても働きがいのある非常に魅力的な会社だと思います。難題に果敢に挑戦し乗り越える勇気と行動力をぜひ発揮していただきたいと思います。

日清オイリオグループは、環境変化に機敏に応える柔軟な企業風土をもち、ステークホルダーの皆様とのコミュニケーションを積極的にとりながら、社会から期待される企業として今後も成長してまいります。

2011年6月
※ 1「持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)」については、フルレポート 103ページをご覧ください。
※ 2「国連グローバル・コンパクト」についての詳細は、ハイライト 16ページをご覧ください。