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発見!ご当地「油」紀行

ところ変われば、食文化も変わります。
ここでは、油を使用したご当地の特徴ある料理や、
レシピなどを紹介します。

第26回

岡山県(岡山市) カツラーメン

 
ボリュームたっぷり
「晴れの国」に根付く定番同士の組み合わせ
瀬戸内海に面し、温暖で雨が少ない「晴れの国」の岡山県は、昔から農作物がよく育つ地域でした。特に、白桃やマスカットなど、美味しい果物の産地として広く知られています。そして、近年では「ひるぜん焼きそば」や「津山ホルモンうどん」など、B−1グランプリでもおなじみのB級グルメがうまれた街を擁することでも、有名になってきています。そんな岡山に、昔から愛される定番メニューである「ラーメン」と「トンカツ」がタッグを組んだ、ご当地メニューがあります。
メニュー名は店舗によって異なりますが「カツラーメン」や「カツそば」が主。その名の通り、ラーメンの具としてトンカツをのせた料理であり、中華料理の「排骨麺」とは異なります。今回は、ありそうでなかった、定番同士が組み合わさったメニューをご紹介します。
    岡山のシンボル、桃太郎像。岡山駅前に立ち、瀬戸内海に浮かぶ鬼ケ島の方向を望んでいます。

岡山県産の果物をPRするためのプロジェクト「フルーツパフェの街おかやま」。岡山市内にある34店舗の飲食店で、旬の果物を使ったフルーツパフェをいただくことができます。


誕生の秘密は、トンカツのプチ贅沢感と
チャレンジ精神?!


発祥の店の一つといわれている、老舗のラーメン店。カツラーメンは、今も人気のメニューだそう。
「トンカツラーメンのルーツについては、諸説あるんですよ」と、カツラーメンについて数多く取材をしてきた「タウン情報おかやま」の編集の方。「誕生した時期はさだかではありませんが、戦後の日本で、洋食文化が広がった高度成長期の時代に定着したのではないかといわれています」と編集スタッフKさん。当時、トンカツは高価なメニューで、もともと労働者の食べ物であったラーメンにトンカツをのせて贅沢な気分を味わったという説、岡山の老舗ラーメン店の創業者が、「東京では、トンカツをラーメンにのせるらしい」という情報を聞いて試したのが始まりという説も。「恐らく、同時発生的に日本のあちこちで生まれたんだと思います。岡山にはデミカツ丼の文化も根付いていますし…他県よりトンカツ好きな県民なのかな?と思うこともあります(笑)。」と編集長。
 ※デミカツ丼・・・デミグラスソースのかかったカツ丼で、岡山のご当地メニューの一つ。
岡山市は、人口あたりのラーメン店の数が多い激戦区なのだそう。しかし、「岡山ラーメン」というような“これ”といったご当地ラーメンは存在せず、色々な要素のラーメンが入ってきて淘汰されずに残っているとのこと。岡山の県民性は臨機応変であることだそうですが、そんな県民性が、このメニューを高度経済成長期から現在まで地元に根付かせているのかもしれません。



衣の食感とスープの味
変化を楽しむのが醍醐味


キャノーラ油で揚げていきます。ラードだとスープとあわせたときにしつこくなってしまうそうです。
岡山駅にほど近い、市内で一番歴史があるという老舗のラーメン店を訪ねてみました。こちらの店舗では、45年以上前からカツラーメン(こちらの店では「カツそば」)を提供しているそう。「やっぱり、男性に人気のあるメニューですね。でも、女性の方でも完食される方が多いんですよ」と、3代目のご主人。
使う肉は、ロース。「見た目の豪華さを重視しているんで、採算度外視で、大き目の肉を使っているんです」とのこと。筋を切り、塩コショウをして、パン粉をつけたら、中温の油で揚げていきます。スープを一気に吸って、衣がべたべたにならないよう、粗めのパン粉を使用するそうです。
 
ややこってり目の豚骨醤油スープに合わせるのは、中太のストレート麺です。

トンカツが揚げあがる直前に、麺をゆで始めます。そして、丼に秘伝の醤油だれを入れたら、豚骨・昆布・かつおぶしや野菜類を半日以上煮込み、前日までのスープに継ぎ足して作ったスープと混ぜます。

ゆであがった麺をスープに入れ、チャーシュー、適当な大きさに切ったトンカツ、メンマ、ねぎをのせて完成です。

食べ始めはサクサク、徐々にスープの味が滲みこみ、しっとりとした 衣に変化していきます。
食べ進むにつれて、スープを吸ってトンカツの衣の食感が変化していくのを楽しめます。そして、スープにはトンカツの旨味が溶けだして、味に深みが出て、飽きが来ません。ボリュームのある一杯が、ペロリといただけます。「トンカツ」と「ラーメン」の2つの定番メニューは、組み合わされることによって新たな風味をもたらし、「晴れの国」の人々のお腹と心を満たしてくれています。

(12.12.19)

●価格
800〜850円程度
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