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発見!ご当地「油」紀行

ところ変われば、食文化も変わります。
ここでは、油を使用したご当地の特徴ある料理や、
レシピなどを紹介します。

第34回

宮崎県都城市 がね

 
名前の由来は“かに”
さつまいも入りの ご当地かき揚げ
宮崎県の南西端、霧島連山に囲まれた都城盆地の中に位置する都城市。市の西側は鹿児島県と接しており、薩摩藩領であったことからも薩摩の文化を色濃く残す地域です。また、全国有数の農業地域でもあり、特に肉牛、豚、鶏などの牧畜産業は全国トップクラスとなっています。そんな都城市に「がね」と呼ばれる郷土料理があると聞き、早速訪ねてみました。
『日本の滝100選』にも選定されている関之尾滝。幅40m高さ18mの大滝、男滝、女滝からなり、大滝の前の橋からはその迫力を体感できます。   都城は後の南九州の覇者、島津家の発祥の地でもあります。都城島津邸ではその歴史を知ることができます。


味付け次第で
おやつにも おかずにも


毎年秋に開かれる「がねコンテスト」。周辺の地域でも同様のコンテストが行われており、各コンテストの上位入賞者が競う「決勝大会」も開催されます。 <写真提供:都城観光協会>
「がね」とは、宮崎県の南西部や鹿児島県の北東部で食べられている、細く切ったさつまいもを用いたかき揚げのような料理で、形が“かに”(この地方の言葉で「がね」)に似ているため、こう呼ばれるようになったそうです。いつ頃から食べられているのかははっきりしていませんが、鹿児島藩が1800年代の初頭に作成した『成形図説』という書物には、さつまいもの調理法として「細く切って干したものを『かね』という」との記載があることから、現在と調理法は違うものの、少なくともこの時代にはさつまいもの料理に「かね(がね)」という言葉が使われていたようです。
「この辺りは、昔、食べ物がないときは唐芋(この地方の言葉で「さつまいも」)を沢山植えたし、油をとるために、菜種を栽培する家庭も多かったので、地のものをうまく生かしたのでしょうね。」と観光協会の方。現在では、お盆やお祭りのときの料理、或いは日常のおかずやおやつとして広く地域の人たちに愛されており、市内のスーパーでは、お惣菜としても定番だそうです。「唐芋を使って、衣や具材に味を付けて、まとめて揚げるということ以外、具材や味付けは家庭によって様々なんですよ。甘めの味付けにすれば、おやつになるし、塩辛くすれば、おかずにもなるし。」アレンジは、家庭によって多種多様なようです。
家庭料理であるため、地元の人々は意外と“自分の家以外の味”を知らないことも多かったそうですが、近年では毎年「がねコンテスト」が開催され、様々なバリエーションの「がね」を味わうことができるようになりました。


彩り豊かな野菜を
豆腐と卵の衣で ふんわりと


約1kgの野菜に対して、砂糖65g、塩15gでもんでいきます。
「がねコンテスト」で上位入賞されたグループの代表の方に、作り方を見せてもらいました。「最近は水を1滴も使わずに、野菜の水分と卵で、粉をまとめる人が多いんですよ。」とのこと。さつまいもを太めの千切りにし、玉ねぎ、しいたけ、かぼちゃ、ニラ、にんじん、明日葉など、他の野菜を合わせてさつまいもと同じ量になる位入れ、砂糖と塩でもんで、水分が出てしんなりするまでしばらくおいておきます。家庭によっては、ごぼうやキャベツ、生姜、じゃこや鶏肉を入れる場合もあるそうです。
野菜と小麦粉が一体となるまで、よく混ぜ合わせます。
別のボールで卵を溶き、その中で木綿豆腐を崩し、混ぜます。これを、塩もみした野菜に加え、さらに中力粉も加えて、全体をよく混ぜ合わせます。甘めの味付けにする場合は、具材に金時豆を入れたり、ホットケーキミックスを用いることもあるそうです。
中まで火が通るように、引っくり返しながら揚げていきます。
続いて170℃の油で、5分ほど揚げていきます。「色々な種類の野菜を使うから、ついつい沢山できちゃうの。ご近所に配る人も多いんですよ。」とグループの代表の方。今回も、さつまいも1本分を使って、約30枚が出来上がりました。
細く切った野菜が“かに”の手足のような 揚げ上がりです。
揚げたてでも、衣に豆腐を混ぜているので、かなりふんわりとした食感です。また、予め塩もみした野菜を使っているためか、通常のかき揚げと比べて、さっぱりとした味わいとなっています。
「これ、これ。食べ慣れた味でほっとしますね。」と観光協会の方。地の食材を生かした野菜たっぷりのヘルシーなご当地かき揚げは、地域の人々の日常の中に溶け込んでいました。

(14.04.24)

●問合せは
都城観光協会
0986-23-2460
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