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発見!ご当地「油」紀行

ところ変われば、食文化も変わります。
ここでは、油を使用したご当地の特徴ある料理や、
レシピなどを紹介します。

第6回

富山県(高岡市) 高岡コロッケ

 
きっかけは総務省の家計調査。
コロッケ購入金額日本一から、コロッケでまち起こし

加賀2代藩主、前田利長が礎を築いた富山県高岡市。市内には利長の菩提寺である国宝・瑞龍寺、高岡城跡を開放した古城公園、千本格子の家並が連なる金屋町通りなど加賀藩ゆかりの名所が残されています。また、高岡は万葉集の歌人で知られる大伴家持が越中国守として在任した地でもありました。
 
大伴家持がその光景を愛したという雨晴(あまはらし)海岸。日本海の向こうに標高3000m級の雄大な立山連峰が望めます。 加賀2代藩主・前田利長の菩提を弔うため、3代藩主・前田利常によって建立された瑞龍寺。造営には20年の歳月を要しました。
 
この歴史ある城下町にいま新しい町の顔が刻まれています。2009年は、利長が開町してから400年目という節目の年であり、様々なイベントが開催されます。市内の若手経営者達が、「立山連峰」をもじり、インターネット上で仮想の「立山連邦王国」を建国し、街の活性化や情報発信につなげていることも話題を呼んでいます。
そして、「高岡コロッケ」。なぜ高岡市がコロッケのまちなのでしょう。
第23回日本海高岡なべ祭りを通して、高岡コロッケの現在を探ってみました。

「コロッケのまち」のきっかけは人口対策。
日本海高岡なべ祭りに「コロッケ横丁」でアピール


平成21年1月11日。前日の雨も上がり、冬の高岡にしては珍しく太陽が顔ものぞかせるイベント日和となりました。冬の2日間を賑わす恒例の高岡のイベント、第23回高岡なべ祭りの2日目です。会場の一画である高の宮通りは「高岡コロッケ横丁」と命名され、5つの高岡コロッケのブースが展開されています。開場の午前10時を回ったころから人足が増え始め、各ブースではコロッケを求める行列ができるようになりました。

高岡市がコロッケのまちに取り組むきっかけは7年前にさかのぼります。高岡市の人口は昭和62年以降減少傾向が続いていました。この状況を打開するため91の施策がまとめられました。そんななか、総務省が行った2000年と2004年の家計調査で、富山市の1世帯当たりのコロッケ消費金額が日本一であり、ほかの年度でも上位に位置していることが分かりました。
(左)高岡コロッケのスタンプラリーを行い、その抽選会場となった高岡市役所のブース。(右)先着400名にプレゼントされるのは高岡市の給食で出されているコロッケ。その場で揚げたてアツアツをプレゼント。
調査は富山市のものですが、それを「富山県を代表するデータ」=「高岡市もその傾向に含まれる」と前向きに解釈し、市内のコロッケの現状を調べ始めたのです。こうして高岡市の若手職員有志で「目指せ! コロッケのまち」を合言葉に活動を始めました。

高岡市の職員によると、「北陸3県でコロッケの消費量が多い」ことについてのはっきりした理由は分からないものの、次のような理由が共通に挙げられているとのことでした。[1]共働きが多い(お惣菜の購入比率が高い→代表的なお惣菜であるコロッケの購入比率も高い) [2]持ち家率が高い(台所を汚すことをいやがる) [3]北前船による交易が盛んだった(じゃがいもが多く利用される) [4]学校給食によく出される。

平成18年6月には高岡商工会議所110周年を記念して、高岡市、富山新聞社、各団体、市内企業、飲食店などが連携して「高岡コロッケ実行委員会」を立ち上げました。加盟店は45店に増え、それぞれのお店ではのぼり旗を立てて、コロッケのまち高岡をアピールしています。また加盟店を紹介する「高岡コロッケマップ」も作成しています。

高岡コロッケ実行委員会加盟店45店と高岡の名所旧跡が案内された「高岡コロッケマップ」。キャラクターは高岡出身の漫画家、藤子・F・不二雄さんの作品「キテレツ大百科」に登場するコロ助です。
高岡コロッケ実行委員会加盟店45店と高岡の名所旧跡が案内された「高岡コロッケマップ」。キャラクターは高岡出身の漫画家、藤子・F・不二雄さんの作品「キテレツ大百科」に登場するコロ助です。
前田藩や大伴家持では話題が身近になりにくい。
コロッケならだれでも好きだし、だれでも語れます


こう語るのは高岡市役所商業観光課の方。コロッケというポピュラーな食材だからこそ市民に支持されたとも言います。「簡単で手軽なことがコロッケによるまち起こしの決め手。販売量が多くなれば地産地消というより地産全消につながります」と高岡コロッケ実行委員会の委員。

コロッケ横丁が賑わいを見せる合間を縫って、高岡コロッケの加盟店2店を訪れてみました。
1店は街の中心部に店を置く老舗デパートです。「コロッケによるまち起こしが始まってから確実に販売量が伸びましたね。テナントも5店に増えましたし」と語るのはデパートの営業部長さん。居酒屋などで中身がチョコレートやアイスクリームという変り種コロッケも登場したといい、これはコロッケの層が厚くなった証しだろうと推察されました。バックヤードでコロッケを揚げ、その揚げたてが購入できるのは買い手には魅力です。「販売量の半数くらいがおやつで買われるんじゃないでしょうか」とも。

おすすめの1個48円のコロッケのほか、高岡大仏にちなんだビッグサイズの大仏コロッケなどを販売。季節によってサツマイモのコロッケなども登場するといいます。 もう1店は郊外の米島に1年半前にオープンした大型食品スーパー。デリカテッセンの広い売場をもち、その5分の1ほどのスペースがコロッケの販売にあてられています。種類はお肉屋さんの牛肉コロッケ、ビーフコロッケ、カボチャコロッケなどクリームコロッケを含め10種類ほど。高齢の人の購入も多いといいます。「折込チラシで"コロッケ特売5個198円"と打ったことがあります。好評だったですね」とは惣菜担当者のお話。スーパーのチラシでコロッケが特売の目玉になるのは珍しいことではないとも言います。「えぇ〜っ、特売の目玉でコロッケが出るのは富山地方だけですか!?」。高岡ではコロッケが生活に入りこんでいるのです。
しかし「高岡コロッケ」というレシピは存在しません。「観光客の方に高岡コロッケはどこで買えますか? と尋ねられて困ってしまいます」と笑いながら話すのは、市内を走る女性のタクシードライバー。それだけ高岡コロッケが県内外に知られてきた証しです。高岡で買う、高岡で食べるコロッケ、それが高岡コロッケなのです。高岡ではコロッケが観光にも根付いてきました。スローガンである「目指せ! コロッケのまち」が「コロッケのまち高岡」になるのは間近かもしれません。

高岡近辺の名産品である里芋と、日本海の冬の味覚のブリ、そして粒々の米麹が特徴の越中味噌で富山の味をたっぷりと使ったコロッケを作ってみました。
滑らかな里芋に越中味噌で焼いたブリの香ばしさがマッチしています。
レシピはこちらです。⇒ 里芋コロッケ ブリの味噌焼き入り

(09.3.31)

●問合せは
高岡市産業振興部商業観光課 電話0766-20-1111(代表)
http://www.city.takaoka.toyama.jp/(公式HP)
http://www.senmaike.net/color/(カラーたかおかHP)
高岡コロッケ実行委員会(富山新聞社高岡支社内) 電話0766-23-2131
http://www.taka-coro.com/
●価格
1個80円〜200円くらい
●高岡市へのACCESS
電車:富山駅からJR北陸本線で約20分、高岡駅下車
車:能越自動車道高岡ICから国道8号、156号経由で約8km
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