「IGP」と「DOP」について

その地方で作られていないのに特産品?

皆さんは旅先で買ってきた土産物を、よく見てみると全然違う場所で作られていたものだった、という経験をしたことはありませんか?本来、特産品というのは、その地方で収穫されたものやその地方独特の加工をしたものですよね。古い歴史をもつヨーロッパ各地には、それぞれの地域の食文化を象徴する食品が数多くあります。EU(欧州連合)には、こうした食品の品質や安全性の保証と生産者の保護のため、2つの認証制度「IGP」と「DOP」があります。

右の写真は当社のトスカーナ・エキストラバージン・オリーブオイルです。ラベルの上部にEU旗をモチーフとした青色と黄色の丸いシンボルマークが付いていますね。これがIGPマークと呼ばれるものです。「IGP」とはイタリア語のIndicazione Geografica Protetta(保護指定地域表示あるいは地理的表示保護と訳されます)の略語です。もうひとつの制度「DOP」は、「IGP」と同様のマークですが、中の文字が、Denominazione di Origine Protetta(保護指定原産地表示あるいは原産地名称保護)と記載されています。IGPが州のようなやや広い地域の特産品認証であるのに対し、DOPはそれよりも狭い町や村の特産品であることを証明するマークとお考え頂ければよいと思います。

IGP、DOPにはどんな食品があるのか

「IGP」「DOP」の認証対象品にはオリーブオイル以外にも、チーズやハム、果物、魚介類などがあります。皆さんよくご存知のパルマ産プロシュート(生ハム)や、チーズのパルミジャーノ・レッジアーノ、それからシチリア産ブラッド・オレンジもDOP認証食品です。EUから「IGP」「DOP」として認定を受けるには、その生産地域、生産国、EUの順で審査に通らなければならず、認定された後も、その製造については、厳しい品質基準を満たすことは当然として、さらに誰が、いつ、どこで作ってものかということを原料にまでさかのぼって証明しなければなりません。「IGP」「DOP」の認定は大変に厳しい制度なのです。ですから「DOP認定・当地の新名物!」なんてことは絶対にあり得ません。