油脂・油剤の設計技術、生産技術
油脂が持つ機能は、油脂の主成分であるトリアシルグリセロールと、それに共存する微量成分によって発現します。主成分であるトリアシルグリセロールは、融点や粘度といった物理的な性質に大きく影響を与え、食品の食感や香りにも影響を及ぼします。一方で、微量成分はその機能により保存性(酸化抑制)や健康機能に効果をもたらします。食用油脂の領域では、目的とする健康機能やおいしさを実現するため、適切な油脂組成を設計します。そして、さまざまな油糧種子を原料とし、搾油、精製、油脂加工(*)などの技術を駆使して成分をコントロールすることで、目的に合った油脂を開発しています。ファインケミカルの領域では、脂肪酸とアルコールの多様な組み合わせにより、さまざまな機能を持つエステル油剤を開発しています。また、グラム単位のラボレベルから、トン単位の実製造に向けたスケールアップまで、研究開発部門と生産部門が連携し、課題解決や製造条件の検討を進めています。このように、油脂の開発には、生物、化学、物理といったさまざまな専門性が必要です。(*油脂加工:液状の油と固形の脂を分離する「分別技術」や、油脂どうしの「エステル交換技術」)
- 目的の機能・物性を有する油脂を製造する「搾油」「精製」「油脂加工」技術の開発
J Am Oil Chem Soc
「“Powdered” lipases as industrial catalysts: Production of Interesterified, structured lipids」へ The 2nd World Congress on Oleo Science, WCOS2022
「Efficient production of structured lipids by lipase reaction」 - エステル油剤の物理・化学特性に応じた最適な製造プロセスの開発
「化粧品原料 ~コスモール222~」へ - 品質を高める/安定させる精製技術の開発