食と生活情報レポート
食生活を中心とした社会の動きについて、調査した結果を紹介します。
家庭料理のおいしさ
~妻・夫が求める食のコミュニケーションとは~(下)
夫婦が食卓に求めるおいしさとは、「料理の味や見た目より、“家族と一緒” “くつろぎ” “家族間のコミュニケーション”が重要!」
「家庭料理のおいしさ」について、前回に引き続きレポートします。
(日清オイリオグループ(株)生活科学研究課調べ)
妻に届いていない、夫の“おいしい”とのほめ言葉
夕食の支度をする妻にとって、料理がおいしかった時に一番してほしい家族からの表現方法は、「はっきり言葉に出しておいしいと言ってほしい」ということである。言葉に出さずとも様子でわかるかもしれないが、それでも言葉できちんと表現してほしいというのが妻の願いなのである。
それに対する夫の対応はというと、料理がおいしかった時には「はっきり言葉に出して表現している」という者が7割を占めた。ほぼ妻の要望通りと言える。しかし、実際に妻が「家族からの言葉によるコメント」で料理の出来を判断しているという割合は3割でしかない。明らかに両者の認識には大きなギャップがあり、夫のほめ言葉は本人が思っているほど妻には届いていないという様子がみてとれる。
おいしくない時でも意外に多い「はっきり言って」、その時夫は…
夕食を仕度する妻にとって、料理がおいしくなかった時に家族に望む対応は、「はっきりと言葉にしてほしい」が4割であるのに対し、「様子でわかるので、言葉はいらない」が3割、「婉曲に言葉で表現してほしい」が2割と、やんわりした表現や態度で示してほしいという要望も半数を占めている。妻の気持ちは、‘はっきり'半分‘やんわり'半分と二分している。
一方、夫について見ると、料理がおいしくなかった時に「はっきり言葉にする」が3割に対し、「婉曲に言葉に出して表現する」が4割、「様子でわかると思うので、言葉に出さない」が2割というように、はっきりと言葉にしない夫が半数以上となっている。やはり、遠慮があってはっきり言葉で言えないのか、あるいは(出来は抜きにしても)夕食の仕度をしてくれた妻への感謝の気持ちからなのか、ストレートに表現しないという様子がうかがえる。
妻にとって夕食の仕度は面倒で、ストレスの種、ただし、主婦のタイプによっては…“天職”
妻にとって夕食の仕度とはどういう位置づけになるのか、『わたしにとって毎日の食事づくりとは○○○です』という文章完成法で聞いてみた。その結果をまとめると、「家族の健康管理」と答えた主婦が一番多く3割以上となった。ただし、一方で夕食の仕度は「仕事・日課」「苦痛・面倒」「義務」と位置づける妻も多く、ストレスの種となっていることも明らかである。
n=105 | 回答数 | 回答率(%) |
---|---|---|
家族の健康管理 | 36 | 34 |
仕事・日課 | 25 | 24 |
苦痛・面倒 | 11 | 10 |
義務 | 10 | 10 |
楽しみのひとつ | 10 | 10 |
家族とのコミュニケーション | 5 | 5 |
生活の一部 | 4 | 4 |
その他 | 13 | 12 |
また、主婦タイプ別(※)に代表的な回答をピックアップすると次のようになり、主婦のタイプによっては、それほどのストレスを感じずに“天職”として夕食の仕度をしている、といった様子も見ることができる。
※(妻の食に関する意識で分類した5タイプ)