食と生活情報レポート

食生活を中心とした社会の動きについて、調査した結果を紹介します。

家庭料理のおいしさ
~食意識から主婦を5グループに分類~ テキパキ・工夫派 / 生真面目・ストレス派 / 料理大好き・こだわり派 / お気楽・チャッカリ派 / 無関心・イヤイヤ派

生活科学研究課では、「家庭料理のおいしさ」について調査研究を行ってきました。本調査は、夕食の実態や食に関する意識を明らかにすることを目的に、関東1都3県105世帯(妻とその夫210人)の方に、2003年7月~8月アンケートを実施いたしました。
今回は、その中から「主婦の食に対する意識」についてご報告致します。

(日清オイリオグループ(株)生活科学研究課調べ)

「食意識」から主婦を5グループに分類、あなたはどのタイプ?

普段の食生活や食意識に関する設問の回答を分析した結果、主婦を5つのグループに分けることができた。

  • “テキパキ・工夫派”:良いと思うものはどんどん取り入れ、テキパキ要領がよい主婦(31%)
  • “生真面目・ストレス派”:真面目さゆえに、食事作りにストレスを感じる主婦(20%)
  • “料理大好き・こだわり派”:料理に対するこだわりがあり、料理が趣味の優等生主婦(12%)
  • “お気楽・チャッカリ派”:料理は好きでも、手を抜くところはきちんと抜くチャッカリ主婦(14%)
  • “無関心・イヤイヤ派”:食に対して無関心で、食事作りが嫌いな主婦(22%)
5グループの属性
5グループの属性

“テキパキ・工夫派”:良いと思うことはどんどん取り入れ、テキパキ要領がよい主婦

“テキパキ・工夫派”は、融通を利かせ要領が良く、料理に対して前向きなグループである。料理番組・インターネット・雑誌などを見て献立の参考にし、また、スーパーの特売を積極的に利用している。出来合いの惣菜の利用にもそれほど抵抗感がない一方、旬の素材や季節感のある食品を使う、盛り付けの工夫や食卓の演出をする、新しい料理に挑戦するなど自分なりの工夫を凝らす家事上手である。
'半分‘やんわり'半分と二分している。

食に対する意識:“テキパキ・工夫派”

(「あてはまる」「ややあてはまる」と回答した率)

食に対する意識:“テキパキ・工夫派”

“テキパキ・工夫派”自由回答抜粋 『わたしにとって毎日の食事作りとは○○○です。』

  • コミュニケーションの場作り(46歳 パート・アルバイト)
  • 健康な体作りの基本(52歳 専業主婦)
  • 家族円満の源(53歳 パート・アルバイト)
  • 楽しみ半分、義務半分(52歳 パート・アルバイト)

“生真面目・ストレス派”:真面目さゆえに、食事作りにストレスを感じる主婦

“生真面目・ストレス派”は、質の高い料理を出さなければならないという義務感にしばられ、それゆえにストレスを感じているグループである。
惣菜を利用するのは手抜きと考え、有機野菜や無農薬野菜の使用、安全性の保証された食品や食材の使用を心がけている。そうしたこだわりが強い一方で、料理をそれほど得意と考えていない、料理番組・インターネット・雑誌情報などの積極的な利用もしない、献立を考えたり食事の仕度をすることをおっくうに感じている。職業をみると、比較的就業時間の長いとみられる有職者が多く、時間的な余裕のない環境にあると考えられる。

食に対する意識:“生真面目・ストレス派”

(「あてはまる」「ややあてはまる」と回答した率)

食に対する意識:“生真面目・ストレス派”

“生真面目・ストレス派”自由回答抜粋 『わたしにとって毎日の食事作りとは○○○です。』

  • 家族の健康を守る為の専業主婦の義務(35歳 専業主婦)
  • 求・最短調理時間(35歳 専業主婦)
  • 面倒なこと(37歳 フルタイム)
  • 苦労のようで生きがい(44歳 パート・アルバイト)

“料理大好き・こだわり派”:料理に対するこだわりがあり、料理が趣味の優等生主婦

“料理大好き・こだわり派”は、質の高い料理を夕食に出すという意欲が高く、非常に優等生的なグループである。
献立は栄養バランスを考慮し、家族の健康を考えて油・塩分・カロリーなどを控えめにする配慮を怠らず、ダシをとるのも素材からと、調理は手作りを基本としている。家族の健康を考慮した上で、なおかつ自分の食べたいものを作るなど、食事作りに対する信念があり、調理技術ともに自信にあふれているタイプである。

食に対する意識:“料理大好き・こだわり派”

(「あてはまる」「ややあてはまる」と回答した率)

食に対する意識:“生真面目・ストレス派”

“料理大好き・こだわり派”自由回答抜粋 『わたしにとって毎日の食事作りとは○○○です。』

  • 創作の場(42歳 専業主婦)
  • 天職(52歳 専業主婦)
  • 楽しみのひとつ(49歳 パート・アルバイト)
  • 創意工夫で楽しい(46歳 自営業)

“お気楽・チャッカリ派”:料理は好きでも、手を抜くところはきちんと抜くチャッカリ主婦

“お気楽・チャッカリ派”は、比較的手間をかけずに夕食の用意をし、料理を楽しむグループである。手抜きと認識しつつも、惣菜を使うことは合理的と解釈し、パックのまま食卓に出すことに抵抗が少ない。冷凍食品・レトルト食品もほどほどに利用する。料理番組・インターネット・雑誌を見て献立の参考にし、スーパーの折り込みチラシをしっかりチェック、特売品を逃さない。自分が料理はそれほど上手でないと自覚しつつも、趣味感覚でお菓子やパン作りに楽しみをみいだしているタイプである。

食に対する意識:“お気楽・チャッカリ派”

(「あてはまる」「ややあてはまる」と回答した率)

食に対する意識:“お気楽・チャッカリ派”

“お気楽・チャッカリ派”自由回答抜粋 『わたしにとって毎日の食事作りとは○○○です。』

  • 幸せ(47歳 パート・アルバイト)
  • 私の作品(40歳 専業主婦)
  • 家族の笑顔を見る為(44歳 パート・アルバイト)
  • お仕事(38歳 専業主婦)

“無関心・イヤイヤ派”:食に対して無関心で、食事作りが嫌いな主婦

“無関心・イヤイヤ派”は、食事作りに最も意欲のないグループである。献立を考えるのはおっくうで食事の仕度は楽しくない、食事の支度に時間を割きたくない、自分が作れる料理の数は少ない、有機野菜や無農薬野菜を使わない、盛り付けの工夫や食卓の演出をしない、新しい料理には挑戦しない、食に関するテレビや雑誌情報に興味ないなど、ないないづくしのタイプである。

食に対する意識:“無関心・イヤイヤ派”

(「あてはまる」「ややあてはまる」と回答した率)

食に対する意識:“無関心・イヤイヤ派”

“無関心・イヤイヤ派”自由回答抜粋 『わたしにとって毎日の食事作りとは○○○です。』

  • 結構大変(37歳 専業主婦)
  • 習慣(47歳 パート・アルバイト)
  • やや苦痛(50歳 パート・アルバイト)
  • 出口の見えないトンネル(36歳 パート・アルバイト)