食と生活情報レポート

食生活を中心とした社会の動きについて、調査した結果を紹介します。

内食における健康意識と実態調査
朝食は“食べる”、昼食は“腹八分目”、
夕食は“バランス”重視

~野菜への意識は高いものの、実態は少なめ!?~

2008年のリーマンショック以降、長引く景気低迷による節約志向や、2011年の東日本大震災による内食回帰傾向の高まりにより、朝食・昼食・夕食とも自宅で食事をする人が増えています。また、2012年6月に実施した生活科学研究課の調査では、「日頃、心がけていること」として「食事のとりすぎや内容」がトップとなり、食における健康意識は高いことが分かりました。
そこで今回は、平日に食べる自宅での食事について、意識調査と写真調査を実施し、朝食・昼食・夕食それぞれにおける健康意識とその実態に関して分析しました。

(日清オイリオグループ(株)生活科学研究課調べ)

意識調査

調査実施日
2012年8月25~26日
調査手法
インターネット
調査地域
全国
調査対象
20〜60代の男女
サンプル数
2000サンプル

実態(写真)調査

調査実施日
2012年9月10,18~20日
調査手法
インターネット
調査地域
全国
調査対象
アンケート調査参加者の内、 メイン調理者である20〜60代の男女
サンプル数
41サンプル

調査結果

  • 食事における健康意識は、“夕食”がもっとも高く、次いで“朝食”に

    食事における健康意識は、夕食が73%と最も高く、次いで朝食58%、昼食51%となりました。男女年代別にみると、どの食事でも男性よりも女性、また年代が高くなる程、健康意識が高くなりました。

  • 食べ方への健康意識は、朝食が"食べる"、昼食が"腹八分目"、夕食は"栄養バランス"を重視!

    朝食は高い年代で「毎日規則正しく、決まった時間に食べる」、低い年代で「エネルギーになるよう、しっかり食べる」といった"食べることそのもの"を、昼食は「食べ過ぎず、腹八分目にする」といった“量”を、夕食は「栄養バランスのとれた食事をする」といった“質”を重視していました。

  • 栄養成分への健康意識は、朝食・夕食が“食物繊維を多くとる”、昼食は“塩分を控える”がトップ

    朝食、夕食は「食物繊維を多くとる」がそれぞれ31%、42%、「昼食」は「塩分を控える」が28%でトップになりました。夕食では、塩分や糖質など特定の栄養成分を「控える」割合が高くなりましたが、60代は夕食に限らず、どの食事においても「塩分を控える」がトップとなりました。

  • 食材への健康意識は、夕食では“野菜”が圧倒的にトップ

    朝食は「ヨーグルト」、昼食は「野菜」がそれぞれ50%、49%でトップとなりました。夕食も「野菜」が73%でトップとなりましたが、その割合は圧倒的に高くなりました。

  • 野菜への意識は高いものの、実態は少なめ?!

    写真調査で、野菜を意識している人のメニューを見てみると、野菜は取り入れられているものの、量は決して多くないとこが見受けられました。また、汁物やご飯(=炭水化物)を抜く人も見受けられました。

普段の食事における健康意識

  • 普段の食事において、健康意識の高い(「意識している」+「どちらかというと意識している」)割合は、「夕食」73%でトップとなり、次いで「朝食」58%、「昼食」51%となりました。
普段の食事における健康意識

写真調査 健康に“意識している”人の夕食ですが… 健康&味のポイント:本人談
健康に“意識している”と回答しているものの、実態が伴っていない人の例をご紹介します。

    • 40代女性
    • 既婚
    • パート・アルバイト
    • 夫、子どもと食事
    水餃子、ピーマンとナスの炒め物

    メニュー
    水餃子、ピーマンとナスの炒め物

    健康&味のポイント
    ご飯を抜きにした。薄味にした。

    栄養士より
    2品のおかずのみで、野菜もたんぱく質も全体的な量が少ないです。 お子さんも主食抜きの食事を摂っているとなると、少し心配です。

    • 30代女性
    • 既婚
    • パート・アルバイト
    • ひとりで食事
    お好み焼き

    メニュー
    お好み焼き

    健康&味のポイント
    お好み焼きの中にキャベツたっぷりで野菜を摂取。紅生姜をたっぷり入れて、ぴりり辛めにした。

    栄養士より
    キャベツだけでなく、サラダ等の野菜を使ったメニューがほしいですね。たんぱく質も十分な量はとれていないと思います。

    • 20代男性
    • 未婚
    • 学生
    • ひとりで食事
    豆腐ハンバーグ、焼き鳥、炊き込みご飯、味噌汁、プロテイン

    メニュー
    豆腐ハンバーグ、焼き鳥、炊き込みご飯、味噌汁、プロテイン

    健康&味のポイント
    筋肉にいいもの。

    栄養士より
    たんぱく質が豊富で、「筋肉にいいもの」という健康ポイントは、十分です。食事としては、野菜をメインとした副菜が欲しいところです。

“食べ方”における健康意識

  • 「朝食」は「毎日規則正しく、決まった時間に食べる」、「昼食」 は「食べ過ぎず、腹八分目にする」、「夕食」は「栄養バランスのとれた食事をする」がトップとなりました。
  • 男女年代別にみると、「朝食」は20~30代男性、20~40代女性で「エネルギーになるよう、しっかり食べる」が、「昼食」は20~50代女性で「栄養バランスのとれた食事をする」がトップとなりましたが、「夕食」は男女年代別の差はみられませんでした。
食べ方における健康意識

本レポートの詳細は下記のPDFファイルでご覧いただけます。

生活科学研究課 ショートレポート No.22 内食における健康意識と実態調査

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