食と生活情報レポート

食生活を中心とした社会の動きについて、調査した結果を紹介します。

調理の“時短”における意識と実態
賢く前向きに時短を実践
~調理への楽しみの有無が、時短の理由や方法を左右~

2013年に生活科学研究課が実施した女性の調理に関する調査では、調理時間が短くなっていることや、メニューの簡便化が進んでいることなどを明らかにしました。これらのことから、多くの人が調理に“負担”や“面倒”などのネガティブな意識を持っていると推察されますが、一方で「料理をすることが好き」と回答した人も半数以上いることが分かっています。そこで今回の調査では、調理の時短における意識や実態を明らかにするとともに、調理への“楽しみ”という視点も踏まえて分析しました。

(日清オイリオグループ(株)生活科学研究課調べ)

調査概要

調査実施日
2014年1月24~25日
調査手法
インターネット
調査地域
全国
調査対象
週に1日以上夕食を作る20~60代の女性
サンプル数
1000サンプル(ウェイトバック集計)

調査結果

  • 74%が調理の“楽しみ”を実感

    74%の人が調理に楽しみを感じており※1、特に20代、30代で多いことが分かりました。また、この年代は「短い時間で料理を作れた」ときに楽しみを感じる割合も高くなっており、調理を本格的に始める新鮮な気持ちや、料理が上達することへの喜びが、調理の楽しみに影響していると推測されます。

  • 調理時間を半分に減らすと“時短”を実感

    調理で時短を意識する人※2は85%おり、年代による差はほとんどありませんでしたが、「平日の夕食」で時短を意識する人は、「記念日やイベントの料理」に比べ16ポイント高くなり、シーンによって大きな差がある事が分かりました。また、現状の調理時間を約半分に減らすと時短を実感することが分かりました。

  • “時短”は調理のスキルアップにも有効

    時短する理由として、「自分の時間を大切にしたい」という時間的な節約をあげる人が41%いましたが、「光熱費節約」という経済的な節約をあげる人も40%と同程度いることが分かりました。また、調理の「楽しみ派」※3は「工夫ができて楽しい」、「料理の腕があがる」が理由の上位となるなど、時短を調理のスキルアップの手段の一つとしている様子がうかがえました。

  • 調理の「楽しみ派」は調理工程の工夫で“時短”を実践

    時短方法の中で、加熱方法や切り方などの調理工程で工夫する割合は、調理の「楽しみ派」が「非楽しみ派」※4より高くなり、弁当や惣菜などの市販品の利用は「非楽しみ派」の方が高くなるなど、調理への楽しみの有無により時短方法に違いがあることが分かりました。

  • 炒め物は“時短”、煮物は“健康”、揚げ物は“家族”がキーワード

    時短を意識する時に作る料理は、「炒め物」が最も多くなっており、「時間がない」、「手を抜きたい」時によく作られていました。一方では、手間ひまを意識する時によく作る料理は「煮物」と「揚げ物」が上位に入り、「煮物」は”健康意識”、「揚げ物」は”家族”が調理するきっかけとなっている様子がうかがえました。

  • “時短”は手抜きでなく、積極的といった前向きなイメージが高い

    時短に対しては「後ろめたい」、「手抜きである」といったネガティブなイメージを持っている人が少なく、特に60代で顕著となりました。また、「積極的」、「楽しい」などの前向きなイメージを持っている人はどの年代においても高くなっていました。

  • ※1「常に楽しみを感じている」、「楽しみを感じているときが多い」、「楽しみを感じているときと感じていないときは同じくらい」の合計
  • ※2「常に意識している」、「意識しているときが多い」、「意識しているときとしていないときは同じくらい」の合計
  • ※3 「常に楽しみを感じている」、「楽しみを感じているときが多い」と回答した人で時短を意識している人
  • ※4 「常に楽しみを感じていない」、「楽しみを感じていないときが多い」と回答した人で時短を意識している人

時短する理由

  • 時短する理由として、「自分の時間を大切にしたい」という時間的な節約を挙げる人が41%いましたが、「光熱費節約」という経済的な節約を挙げる人も40%と同程度いることが分かりました。
  • 調理への楽しみの有無で比べると、楽しみ派は「工夫ができて楽しい(45%)」、「同じ料理を手早く作ることで料理の腕があがる(37%)」が上位となるなど、時短を調理のスキルアップの手段の一つとしている様子が、非楽しみ派は「調理が面倒・好きでない(57%)」が最も多く、調理に対してネガティブな様子がうかがえました。
時短する理由

時短へのイメージ

  • 時短に対して、「後ろめたい(18%)」、「手抜きである(36%)」※1などのネガティブなイメージは低いことが分かりました。また、「積極的である(75%)」、「楽しい(77%)」※2などは高くなり、時短に対して前向きなイメージを持っている様子がうかがえました。
  • ※1:「Bに近い」、「Bにやや近い」の合計
  • ※2:「Aに近い」、「Aにやや近い」の合計
現在の食意識

本レポートの詳細は下記のPDFファイルでご覧いただけます。

生活科学研究課 ショートレポート No.27 調理の“時短”における意識と実態 賢く前向きに時短を実践~調理への楽しみの有無が、時短の理由や方法を左右~

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