油に関するQ&A油と健康のおいしい関係

Q.トランス脂肪酸ってなんですか?

日本および諸外国のトランス脂肪酸摂取状況は?

トランス脂肪酸の各国における摂取量調査の結果を表に示します。

国民一人一日当たりの摂取量は、米国で5.6g(摂取エネルギー換算2.2%)、欧州では国により違いがありますが、男性で1.2~6.7g(同0.5~2.1%)、女性で1.7~4.1g(同0.8~1.9%)と推計されています。
日本の場合、食品安全委員会が行った「国内で流通している食品中のトランス脂肪酸含有量の調査(2006年実施)」では、国民一人一日当たり平均0.7g(摂取エネルギー換算0.3%)という結果でした。
WHOでは、心血管系疾患のリスクを低減し、健康を増進するための目標として、トランス脂肪酸の摂取を総エネルギー比1%未満に抑えるよう提示しています。
諸外国では、トランス脂肪酸摂取量がこのWHOの目標を超えている国や、日本やドイツのように目標値内におさまっている国もあり、その対応は各国の状況に合わせてさまざまです。
今回の調査結果では、日本における一日当たりのトランス脂肪酸摂取量は、各種勧告、規制が進んでいる欧米の摂取量と比べ、比較的少ない傾向にあることが示されました。
ただし、食品安全委員会で行った推計は、あくまで、国民健康・栄養調査の平均値を使ったものなので、個人のばらつきを考慮したものではありません。例えば、脂肪の多い菓子類や食品の食べ過ぎなど偏った食事をしている場合などでは、平均値を大きく上回っている可能性もあります。
健康維持には、トランス脂肪酸のみならず、脂肪の摂り過ぎに注意して、動物、植物、魚由来の脂肪をバランス良くとることが大切です。

各国におけるトランス脂肪酸摂取量調査

1日当たり摂取量(g) 摂取エネルギーに占める割合(%) 調査機関(調査年)
日本(平均) 0.7 0.3 食品安全委員会(2006)
米国(成人平均) 5.6 2.2 NHANESⅢ(1988~94)
EU (14カ国) 食品安全委員会(2006)
男性平均 1.2~6.7 0.5~2.1
女性平均 1.7~4.1 0.8~1.9
豪州(2歳以上平均) 1.4 0.6 FSANZ (2006)
NZ (15歳以上平均) 1.7 0.7 FSANZ (2006)

資料引用:食品安全委員会「新開発食品評価書 食品に含まれるトランス脂肪酸」に基づき作成

よくわかるトランス脂肪酸