NISSHIN OilliO "植物のチカラ"

Palm Oil Action Plan パーム油アクションプラン

パーム油産業に関する環境・社会的課題を深く理解・認識し、パーム油産業の健全な発展に貢献していくため「パーム油調達方針」を2018年6月に制定し、2018年12月にNDPE宣言(No Deforestation, No Peat and No Exploitation:森林破壊ゼロ、泥炭地における新規開発ゼロ、先住民、労働者への搾取ゼロ)を公開しました。
さらには、CSV目標として「2030年度までに農園までのトレーサビリティ割合100%」を掲げるとともに、アクションプランの策定・見直しにより、持続可能なパーム油サプライチェーンの構築を目指した取り組みを進めています。

パーム油アクションプラン

アクションプラン(実行計画および進捗状況)

活動項目 2024年度進捗(一部これまでの実績を含む)
1 トレーサブルで透明性のあるサプライチェーンの構築 (1)サプライヤーとのエンゲージメント KUALA LUMPUR KEPONG社が主催するワークショップに参加(2024年3月)。製油業者、搾油業者、農園関係者など63社(110名)が参加し、施策の強化・サプライヤーとの協力・トレーサビリティの向上など、NDPE(※1)方針遵守に向けた取り組みについて情報を共有した。また、Cargill社の主催するNDPE ワークショップに参加(2024年8月開催)し、製油業者、搾油業者、農園関係者とNDPEの進捗情報を共有。
(2)認証油の調達と農園トレーサビリティ把握への活用 農園までのトレーサビリティ把握の基盤として、2030年のパーム油のRSPO SG認証油割合50%超、パーム油・パーム核油等の認証油割合100%をKPIとして設定。2024年1-12月は、それぞれ70.5%、67.3%。
(3)日常の調達活動を通じた透明性の確保 ISF社に直接CPO(※2)およびCPKO(※2)を供給している全搾油業者に対して、NDPEコミットメントの進捗状況に関する調査を実施。
  • (1) 工場の管理状況およびトレーサビリティ情報の確認(四半期毎)
  • (2) 工場を訪問し安全衛生管理等の体制や運用状況の確認(四半期毎)
  • (3) RSPO 認証有効期間の確認(月毎)
  • (4) 環境、人権に関わるアンケートの実施、および当社グループの方針、行動規範の共有
2 小規模農家の生産性・収益性向上支援による森林保護と人権尊重 (1)Small Holderサポートプログラムの企画・推進(直接支援) ISF社、欧州チョコレート企業のFerrero社、当社グループの主要調達農園のHap Seng社の3社で小規模農家のRSPO等認証取得支援を開始。無料の技術支援(研修の実施、研修施設の建築等)を提供。2025年には、取り組みを拡大する計画。
支援した小規模農家は4軒、総面積は166ha。
(2)各種団体のワーキンググループへの参画(間接支援)
  • ●POCG(※3)
  • パーム油サプライチェーンの各段階の企業が参加。
  • 開催頻度: オンライン会議6回/年、対面式ワークショップ2回/年
  • 討議テーマ:NDPEコミットメントを土地権利や労働基準と整合させる際の課題
● Inovasi Agriplot社との協働
2024年10月、EUDRの対応として、当社グループのCPOおよびCPKOのEUDR適合サプライヤーのトレーサビリティとリスク評価を実施。
3 ステークホルダーとの連携による人権尊重の取り組みの推進 (1)農園とのエンゲージメント NPOであるEarthworm Foundation支援のもと、ISF社、欧州チョコレート企業のFerrero社、調達元農園のJohor Plantations社で農園労働者の労働環境や採用について調査し改善支援を実施。支援した農園の行動計画をモニタリング中。他の農園でも同様の活動を展開する予定。
(2)搾油工場とのエンゲージメント マレーシアのパハン州の農園兼搾油業者である DARA-LAM SOON社と連携し、搾油工場と農園において、雇用のデューデリジェンスと労働者の労働環境の実態調査を実施。
4 パーム油サプライチェーンにおけるScope3 CO₂排出量の削減 (1)マレーシア パーム油政府機関へのCO₂削減の働きかけと認証油制度の活用 ISF社においてRSPOまたはMSPO認証油調達を2025年までに100%達成を目標として、2024年時点で認証油率72%。
(2)メタン発酵ガスの利用 2024年11月、ISF社はガスマレーシア社と新たなガス供給契約を締結し、2025年1月より、認証バイオメタン(グリーンガス)の使用を開始。
本活動の記事①:
ISF Takes Leading Step Towards Renewable Energy with Gas Malaysia’s First Certified Biomethane Supply Agreement
本活動の記事②:
ISF receives First Green Certificate from Gas Malaysia under Certified Biomethane Gas Supply Agreement
(3)植林によるCO₂の吸収 2024年時点、8,000本の植林を実施。8,000本の植樹総費用は、3年間で525,000リンギット。引き続き、植樹面積を拡大するため、マングローブ植林プロジェクトを実施予定。
5 社会貢献活動 デンキル工場近隣住民を対象とした社会貢献 2025年3月、デンキル地域先住民コミュニティプログラムと連携し、先住民と地域社会の支援に参画。先住民の伝統を尊重した農作業や手工芸品の製作に参加することで、地域の先住民族コミュニティによって守られてきた伝統的価値観や、周辺の泥炭地を保護する上での地域先住民族コミュニティの役割、そしてマングローブ植林が地域コミュニティにもたらす影響(生計の向上や環境保全の支援)に関して理解した。

※1 NDPE:森林破壊(No Deforestation)、泥炭地開発(No Peat)、搾取(No Exploitation)をしないという方針を指し、持続可能なパーム油の調達を目指すための国際的な基準。企業がパーム油を調達する際の基準として、また、パーム油に関する認証制度の評価基準として用いられている

※2 CPO(Crude Palm Oil),CPKO (Crude Palm Kernel Oil):未精製のパーム油およびパーム核油

※3 POCG(The Palm Oil Collaboration Group):NDPEへの実効性のある行動を加速することを目的としたパーム油サプライチェーンに関わる企業団体

上記以外のアクションプランについては>こちらをご覧ください。その他、パーム油を含む事業の気候変動に関するリスク評価は「TCFD提言への対応」、生物多様性に関する依存・影響評価は「TNFD提言への対応」をご覧ください。

認証油割合/搾油工場・農園までのトレーサビリティ割合

認証油
割合※
RSPO
認証油
SG比率
搾油工場までの
トレーサ
ビリティ割合
農園までの
トレーサ
ビリティ割合
パーム油、
パーム核油、
脂肪酸他
パーム油 パーム油 パーム油、
パーム核油、
脂肪酸他
パーム油 パーム
核油
2024年
1月-12月
調達分
67.3% 77.7% 70.5% 99.8% 92.9% 91.3%
2023年
1月-12月
調達分
58.1% 66.9% 56.3% 99.6% 92.7% 80.9%
2022年
1月-12月
調達分
52.3% 59.6% 51.1% 98.8% 90.9% 72.7%

※RSPO、MSPO、ISPOの各認証や第三者機関による確認が実施されたもの

グループ会社における取り組み

パーム油に関する取り組みは、グループ会社であるINTERCONTINENTAL SPECIALTY FATS SDN. BHD.(マレーシア)において積極的な活動を進めています。具体的な取り組みについては、以下のリンクからご確認いただけます。

サプライチェーン・調達における取り組み

当社グループでは、サプライヤーの皆さまなどと連携しながら持続可能な調達の取り組みを推進するため、「日清オイリオグループサプライヤーガイドライン」「日清オイリオグループ調達基本方針」「パーム油調達方針」を制定しています。これらのガイドラインに基づき、先住民族や地域社会を含めたさまざまなステークホルダーの権利とすべての労働者の権利を尊重し、調達活動を進めていきます。

各種業界団体への参加と他企業との取り組み

<参加団体>
日清オイリオグループでは、GCNJ(Global Compact Network Japan)やPOCG(Palm Oil Collaboration Group)など各種業界団体へ参画し、パーム油に関する情報交換と取り組みを実施しています。詳細は以下のリンクをご確認ください。

<他企業との取り組み>
日清オイリオグループでは、他企業と協働した取り組みを積極的に実施しており、Ferrero社と協力し、小農園を支援する取り組みを行っています。詳細はこちらからご確認ください。

パーム油サステナビリティに関するデータ

搾油工場リスト、苦情処理手順、苦情ログ、子会社情報、持続可能な調達レポート(パーム油)について、以下のリンクより参照いただけます。